アセンデッドマスター「パン」
パン（Pan）は、古代ギリシャの自然や喜び、音楽や豊穣を司る神です。パーン、アイギパーン、牧神、牧羊神、半獣神とも呼ばれ、ローマ神話のファウヌス（Faunus）と同一とされています。
パンという名前は「牧夫」の意味を持つ「パオーン（Paon）」から名付けられたものと言われていますが、ギリシア語で「全て」の意味を持つ接頭語「パン（Pan、汎）」としばしば誤って同一視されたといいます。また、パンがテューポーンに襲われた際に上半身が山羊、下半身が魚の姿になって逃げたエピソードがあり、山羊は高山動物であるため、その姿は低きは海底から高きは山の頂上まで、世界のあらゆるところに到達できるとされ、「全て」を意味する接頭語 Pan（汎）の語源となったともいわれています。
様々な点でパンは、オルペウス教の創世神話に登場する原初の両性存在の神、プロートゴノス（Protogonus、最初に生まれた者）あるいはパネース（Phanes、顕現する者）と同じものとも考えられていました。この神は、原初に卵より生まれた両性の神で、原初神エロースの別名で、みずからの娘ニュクス（夜）とのあいだに初原の神々、すなわち大地（ガイア）と天（ウーラノス）を生み出した存在でもあります。またパンは「全て」という意味から、アレクサンドリアの神話学者やストア派の哲学者たちによって「宇宙全ての神」であると解釈されるようにもなりました。
パンは、額にはヤギに似た2本の角があり、髭を生やし、ヤギのような下半身を持ち、爪先は山羊の爪先のように割れていました。2本足で歩き、岩場も軽々と走り回れるような身体能力を持つ、半人半獣の神でした。パンの両親は諸説ありますが、父親はギリシャ神話のオリンポス十二神ヘルメス、母親は精霊ニュムペーであるといわれています。
パンの奇妙な姿に、母親はパンを置き去りにして逃げましたが、父のヘルメスはパーンを野兎の皮でくるみ、神々のもとへ運びました。神々はパンにみな喜んだそうです。なかでも特に喜んだのはディオニューソスでした。そして「全ての神々を喜ばす」として、そこから全てという意味を持つ「パン」という名前を得たのだとも言われています。
パンは、人気のない所で、突然、混乱と恐怖をもたらすことがあったとも言われており、牧人や子供、家畜にも得体の知れない突然の恐怖を送り、パニック(Panic)という言葉のもとになったとも言われていますが、その原因は、彼の昼寝を妨げて怒らせることにあると考えられていました。
また、アルテミスの侍女で、アルカディアの野に住む美しい精霊ニュムペー「シュリンクス（Syrinx）」は、森に住むものに愛されていましたが、アルテミスを崇敬していた彼女は、森に住む彼らを皆軽蔑していました。ある日、狩りから彼女が帰ってくるとパンに出会いました。パンは一目で恋に落ちますが、シュリンクスは彼の愛情に応えませんでした。逃げ出したシュリンクスを追いかけて、パンはラドン川の土手まで追いかけて行って彼女を捕えました。シュリンクスは、水中のニュムペーに助けを求めると、パンを川辺の葦（あし）に変えてしまいました。パンが助けを求めて叫ぶと、風が葦を通り抜け、悲しげな美しい旋律を鳴らしたのです。後にパンは元の姿に戻り、葦で楽器を作りました。その「パーンの笛（パーンパイプ、パーンフルート、つまり古代ギリシア語でシューリンクス）」が、現在のパンフルートの起源とされています。
富や豊穣をもたらすことを、心配事や罪悪感を手放し、楽しみながら進めたいとき、不安なときには、パンに助けを求めましょう。音楽を聞いたり、自然を感じたり、リラックスしながらあなたのアイデアを形にできるよう、パンが助けてくれるでしょう。
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Eva et Lilit エヴァエリリトのスピリチュアルカウンセラー・ホリスティックセラピスト。スピリチュアル カウンセリング、オラクルカードやヌメロロジーリーディング、エンジェルヒーリング、アロマテラピー、ヒーリングアート、デザイン、ウェブ全般。得意なことは浄化。宇宙や不思議な話、怪談が大好き。最近は日本の神様や古事記、仏様や法華経に興味があり、写経や仏画にハマってます。
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